川崎消防設備社長日記

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生死をわけたのは屋上の施錠方法だったと思う

今週は色々なニュースがあったんですけども、私は仕事柄、京都アニメーションの火災には触れておこうと思います。

 

今日の時点でお亡くなりになられた方が34人。

平成以降では最悪の死亡火災となってしまいました。

 

京都アニメーションについて特に詳しいわけではないんですけども、建物をテレビで見て、消防設備については建物の外観でおおよそ見当はつきますので、少しお話を。

 

今回の火災があった建物は3階建てで、屋内階段1系統の建物という事で、しかも用途は事務所・作業場ですよね。

そうすると、広さから推測するには、消火器が各階1本2本程度。警報設備はあっても非常警報装置(押しボタン)くらいで、螺旋階段で吹き抜けていた造りから誘導灯もついてなかったんじゃないかなと思います。

避難器具は3階には設置されてたかもしれませんが、2階にはなかったんじゃないでしょうか。

ただ、それは法令どおりで、別に何か不備があるわけではありません。

法令どおりに設置してその程度の建物なんです。

 

うちの会社も小さい建物をけっこう点検もしてますし、消防訓練なんかもやりますけども、いつもお客さんに話しているのは、建物の外を階段が走っている建物と建物の中を階段が走っている建物では危険度がまるで違うという事です。

 

建物の中を階段が走っているビルで消防訓練をやる時には、いつも必ずしつこいほどに言っています。

今の建物って燃えにくくなってるんですけども、燃えにくいという事は不完全燃焼が起こっているわけで、有毒な煙が出るんですね。

今の時代は炎より煙が問題なんですよ。

外階段の建物なら階段に出てしまえば例え煙が漏れてるとしてもある程度空気に希釈されますけども、建物の中を階段が走っている建物だと、煙突のように下から上まで煙が充満してしまいます。

今回のように放火をされちゃうと出入り口付近を塞がれますから、基本、下に逃げるのは困難になります。

そうなった時には避難器具を使って避難するか、マニュアルではなくとも屋上に逃げるか、この2択となりますね。

今回は爆発音がして割れた窓から大量の空気が入り、窓付近も激しく燃えてますから、屋上1択だったんだろうと思います。

 

そこで生死を分けたのは屋上の施錠方法だったんだろうと思います。

基本、どの建物も屋上は施錠されているわけなんですが、内側からサムターンで開けられる屋上と、鍵を使わないと開かない屋上とあり、この建物は後者だったんだろうと思います。

屋上に逃げても鍵が開かなかったんでしょう。

多くの方が屋上の階段付近で亡くなっています。

ですのでね、私は小さくて防火設備なんかが法令でつかないような建物の屋上はサムターンで内側から鍵がなくても開けられる造りにするべきだと思ってましたし、お客さんにはそういう説明をしています。

 

大変大きな火災ですのでこれから何らかの消防法の見直しがあるでしょうが、その際は、ぜひ内側サムターンの推奨をお願いしたいです。

 

何かを教訓にしなくては、あまりにも酷い事件だと思います。

 

お亡くなりになった方のご冥福をお祈りし、負傷された方の回復を願っております。

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